Loビーム常時点灯化

 
ZAPが行った、Loビーム常時点灯化の仕組みをわかりやすく説明します。
各ステップごとの配線図を簡単なアニメーションで作成しました。
 
実際は左右2系統に分かれていますが片側1系統のみで説明しています。
また、ヒューズやリレー、途中の配線やカプーラー等
かなり省略して簡素化していますのでご注意願います。
 

 

エキスパートのノーマル時の配線図です。

ディマースイッチでハイビームとロービームを
切り換えると、電流はそれぞれの経路を通って
H4バルブに流れます。

H4バルブの中にはハイビームとロービームの
フィラメントが一緒に組み込まれています。

電流はフィラメントを通過したあとアース線に
流れていきますが、H4バルブの中でハイビームと
ロービームのアースが繋がっているので、
バルブから出るアース線は1本になっています。

(図ではスペースの都合で、バルブからのアースが
バルブの外で1本に合流していますが、
実際はバルブの中で1本に合流しています。)

 
エキスパートにアベニールの4灯式ライトを
装着した時の配線図(その1)です。

エキスパートのノーマルとの違いは、カプラから先の
配線が4本になり、ハイビームとロービームの
アースがそれぞれ独立していることです。

しかし、カプラまでの車側ハーネスにハイビームの
アースとなる配線(この図ではオレンジ色の線)がありません。

この状態ではハイビームが点灯しないので、
図の様にオレンジ色で示した線を追加します。
実際にはロービームのアースに繋ぐのではなく
直接ボディ等にアースします。

これでハイビームも使えるようになりましたが、
ハイビーム時にロービームが点灯しません。

一部の外車でこのような付き方の車があるので
車検では何も問題ありませんが、格好悪い・・・
 
エキスパートにアベニールの4灯式ライトを
装着した時の配線図(その2)です。

配線図(その1)でハイビーム時にロービームが
点灯しませんでしたので、その対策を行います。

リレーを介してハイビーム時にもロービームに
電流を流すことも出来ますが、この方法だと
ハイとローを切り換える時、一瞬電流が途切れます。

この電流の一瞬の途切れは、ハロゲンバルブでは
あまり問題にならないと思いますが、キセノン(HID)
装着時には機器に影響が出てくるため解決する
必要があるので、ヘッドライトがオンの時には
常にロービームへ電流が流れるようにしていきます。

今回は深く考えずにヘッドライトスイッチを通った
後の配線とディマースイッチを通ったあとの
ロービームの配線を短絡することにしました。

原理は簡単ですが、この細工はコンビネーション
スイッチ内の細かいプレート配線を改造する必要が
あってとても大変です。

ZAPは短絡する必要のある箇所が隣り合っている
プレートになるところをテスターを使って探しました。

見つけたら短絡させるのに銅線を使い、
それをハンダ付けします。すごく細かい作業ですよ。
 
エキスパートにアベニールの4灯式ライトを
装着した時の配線図(その3)です。

配線図(その2)でハイビーム時にもロービームが
常時点灯するようになりました。

しかし、ハイビーム時には2つのバルブに行く電流が
一本の線を流れる様になるため、このままでは
配線の容量にちょっと不安が残ります。

机上の計算ではHiビーム時に片側で約9.6Aの
電流が流れる計算になりますが、ヒューズの容量が
片側15Aなので、このことから予想するとハーネスの
容量も通常使用では問題ないと思いますが・・・

ライトのHi、Lo切り換え時が頻繁になったりすると
ちょっと心配です。
ライトを点ける瞬間って負荷がかかるので・・・。

そこで既存の配線はリレーのスイッチング用として
使うことにすると電流が少なくて済みます。

繰り返しますが、この配線図は簡素化しているので
ヒューズを省略しています。
くれぐれもヒューズを忘れずに。
ショートしたりすると最悪火災になりますから・・・

これでハイビーム、ロービームともにバッテリーから
直接電気を供給できるので効率も上がりますし、
独立した回路を構築できるので、万が一トラブルが
あっても全くライトが点灯しなくなることもさけられます。
 
その後、わかったこと
      ライトのメインスイッチを分解してみました。

 左の画像がスイッチ内部のディマースイッチ部です。

 右の金属プレートがスイッチの接触プレートで
このプレートの位置を変えることにより、ロービームと
ハイビームにそれぞれ電流を振り分けています。
 
 スイッチの接触プレートを半透明にして
ロービームの位置に配置しました。

 上からバッテリーからのプラス電流が通ってきます。

 電流はスイッチの接触プレートを通ってロービームの
プレートへと流れていきます。
 
 今度はハイビームの位置に配置しました。

 上からきたプラス電流はスイッチの接触プレートを
通ってハイビームのプレートへと流れていきます。
 
 このスイッチがスゴイのはここからです。

 ローとハイを切り換える瞬間がスゴイ!!

 画像を見て解るように切り替わる瞬間は一時的に
 ハイとローのどちらにも電流が流れるように
なっています。

 これは切替時に電流が途切れるのではなくて、
どちらかに完全に切り替わるまでは両方に電流が
流れています。

 と、言うことは・・・

 わざわざハンダ付けしなくても、最初に公開した
配線図の通りリレーを組むとロービームは常時点灯
するはずですよね。

 最初から知っていたら・・・(笑)