ローダウン(F)
 ZAP所有の足回り用工具類を並べました。
 車の下にもぐったり頭を入れたりするので、大型のフロアジャッキや
リジット・ラックは最低限必要ですね。 
 行き詰まったときのために、整備要領書があると便利です。

 分解組み付け手順の他にも規定トルク等の情報満載です。

 ZAPがディーラーから車を買う時は、値引きの他にこれらの
資料をサービスで付けてもらうことを絶対の条件にしています。
 車に備え付けの取扱説明書を確認して、ジャッキを規定のポイントに当てて
ボンネットを開けてから車を持ち上げました。

 ジャッキアップポイントはFF車と4WD車で違うので注意。
 持ち上げたらリジットラックをかけますが、このポイントにも注意が必要です。

 ゾーンボディ(安全ボディ)採用の車なので丈夫なボディのイメージがありますが、
ジャッキアップポイント以外のボディ部やアンダーフロアーのメンバー等は以外と
弱く潰れやすいんです。
 
 ストラットの取り外しにかかります。
 ストラット関係に使われているボルトは、メーカーでは全て使い捨てする様に
指示されているので組み付け時は新品を使うことになります。

 しかし、ZAPの車を見てみると、ここら辺で使っている全てのボルト・ナットは
新車時の組み付けのままは触られていない様なのと、新規登録から1年しか
たっていないことを勘案して、今回は全てのボルトを再使用するつもりです。

 ネジは大切にしたいので不要になった歯ブラシを使いネジ山の泥を落としました。
 泥が付いたまま無理にまわすと、小石がかんだりしてネジ山を痛めてしまいます。 
 取り外すネジを確認しながら泥落としが終わったら、ストラットに取り付けてある
ブレーキホースとABS回転センサのコードを外しました。

 ブレーキホースはクリップ止めになっています。

 ホースを傷つけない様にマイナスドライバー等を使い、クリップの耳を押し戻す
様にすると簡単に外れます。

 クリップをとばしてなくさない様に注意!
 ABS回転センサのコードは2カ所固定されていますが、こちらはストラットから
出ているステーにゴム製クリップをさして引っかけているだけです。

 コードに無理な力を掛けない様に外しました。

 取り外したホースやコード類はこれからの作業の邪魔にならないように
隅っこにまとめておきました。
 ストラットを取り外す準備ができたので、ネジ山に浸透性の潤滑剤を
スプレーしました。

 組み付けた後にオイルが残って欲しくない場所なのでルーセンを使用しました。

 このボルトの頭は17mm、ナットは19mmでした。
 かなりきつくしまっているので、緩める時は必ずメガネレンチを使用します。

 画像のとおり、ストラットの下側は2組のボルト・ナットで固定されています。

 ここにはワッシャーは入っていません。

 ボルトが固着していたので、最初に2組ともナットを緩めてからナットをボルトの
先端が隠れるところまで回しておきます。

 ネジ山を痛めない様にして軽くハンマーでたたいてボルトの固着を外しました。

 ナットを完全に外して、ボルトの方は抜かずにおきます。
 ストラット上部を固定しているナットを外します。

 エンジンルーム内にありますが、すぐに見つかります。

 全てのナットを緩めてから、片手でストラットを持ち上げながら完全にナットを
外します。ストラットを持ち上げていないとナットが外れた瞬間にストラットが下に
落ちるので注意。

 このナットにもワッシャは使っていません。 ナットのサイズは14mmでした。
 ストラットの上が外れたので、下側のボルトを完全に抜いてストラットを
車から外します。

 外す時は、ブレーキホースやABS回転センサのコードに引っかけない様に
注意するとともに、かなり重いのでボディに当てない様に注意。

 ブレーキローター部を少し手前に引くと取り外しやすくなりますが、
あまり引くとドライブシャフトが抜けてくるのでやりすぎない様に注意が必要でした。

 チョットくらいシャフトが抜けてもすぐ入りますが、ブーツに負担がかかるので・・・
 ストラットを外すとブレーキローター部が外に倒れてきます。

 あまり倒すとドライブシャフトが抜けたり、ブーツが引っ張られて負担がかかるので、
画像の様にストラット取付ネジ穴にひもを通してボディに縛り付けておきました。
 ストラットを車から完全に取り外した状態です。

 これからストラットをバラしていくので、これも掃除しておきます。

 バネの下側にある皿(マウント)の中には結構泥がたまっていました。
 ストラットの分解はバネを縮めて外すので、作業台にきちんと固定しないと
大変危険です。

 今回、スプリングコンプレッサーはアッパーマウントごと縮めるタイプの
大型の物を使用しました。

 これはラチェットレンチを使い、軽い力で簡単に縮めることができるし、
バネにキズがつきづらいという優れもの。

 難点は半端でない重さと実売約4万弱という価格・・・(たしか定価は6万超)
 でも、でも、フロントバネの様な大型のバネには最適です!  ふふん!
 バネを縮めたらアッパーマウントの中央にあるナットを外します。

 バネが完全に遊ぶまで縮めないとバラした時にぶっ飛びますので注意。

 ここのナットはかなりきつくしまっていたので、反則業のインバクトを
使っちゃいました。

 インパクトがない方は、車に付いている状態で緩めておくとイイかも・・・
 
 ここのナットは17mmでワッシャが入っていました。
 
 ナットを外したら、マウントの組付順を確認しながらパーツを外していきます。

 もう、バネも外れますのでスプリングコンプレッサーも外して大丈夫です。
 取り外したノーマルスプリングとダウンサスを比較しました。

 ちょうど一巻き短くなっていました。

 ここで、純正スプリングの上下に付いているゴム?をダウンサスに付け替えます。

 純正スプリングにはボンドで貼り付けてありました。

 このゴム?を付けないと、スプリングとマウントの接触部が錆びてきた時に
ギシギシ音が鳴ります。古いバスみたいなあの音です。
 ここからはダウンサスの組み付けになります。

 まず、ノーマルスプリングに付いていたゴム?を付け替えました。

 そして、ダウンサスとアッパーマウントを組み合わせ、スプリングコンプレッサーで
十分に圧縮。

 元の通りショックに組み付け、アッパーマウントの中央にあるナットを締めました。
 組み込み時の注意ですが、アッパーマウントには向きの指定があります。

 画像の赤丸で囲った部分に「OUT」と打刻されていて、装着時にはこの部分が
外側にくる様に組み付けないといけません。

 また、アッパーマウントには黄色矢印部にだけ切り欠きがありますので、
車に組み付けた後でも手探りで確認できました。
 正しく組み付けた状態を横から撮影しました。

 画像を見るとご理解いただけると思いますが、ショックに対してスプリングは
斜めに組み付く様になります。

 このため、アッパーマウントに角度が付けられていて方向指定があるんですね。

 赤矢印で示した外側になる部分と反対の内側になる部分をショックを基準にして
見るとかなり高さの違いがあるのがおわかりいただけると思います。

 イン・アウトを全く逆に組み込むと、高さが2〜3cmも狂うばかりか、
キャンバー角、キャスター角にも影響が出そう・・・
 車への組み付けは取り外しの全く逆の手順です。

 ブレーキホースやABS回転センサのコード、ドライブシャフトのブーツなどを
痛めない様に注意して作業しました。

 ここで外しておいたブレーキホース類が邪魔なので、上下の取付ネジを
仮組みして、ブレーキホースやABS回転センサのコードを先にストラットに
組み付けしました。

 邪魔物をなくしてから、プリセット型トルクレンチを使って本締めしました。

 
 本締めをしたら、一応は完成です。

 なぜ一応なのか?

 それは、足回りをいじるとトーイン、キャスター、キャンバーのアライメントが
狂ってしまっているからです。

 大抵は車高を下げるとトーインが開き、キャンバーがネガティブになってきます。

 最低限トーインだけでも調整しないとまっすぐ走らない「ダメぐるま」に・・・